銘文 『一肥前国出羽守行廣以真鍛作』 種別 刀 長さ 72センチ 反り 1センチ 元幅31ミリ 元重 7.5ミリ 先幅 17ミリ 先重 5ミリ 刀身重量788グラム(すべて約です) 日本美術刀剣保存協会鑑定書付 初代肥前一文字行廣の魅せる名刀で小板目肌が細かく詰んだ精美な鍛えに、地沸厚き特有の華やかな丁子乱れに互の目交じり、足長くよく入り、深く小沸よくつき、地刃共に明るく冴え本工の高度な技量と肥前刀らしい特色を見事に示しております。 肥前国出羽守行廣は江戸初期の肥前刀を代表する名工で肥前刀の祖である忠吉の孫、初代河内大掾正廣の弟にあたり、名は橋本九郎兵衛といい天保5年に出羽大掾、寛文3年に出羽守を受領しました。初代肥前国出羽守行廣は石堂一派から備前伝を学び、銘鏨に一文字を現す鏨「一」を刻すことで有名な鍛冶であり肥前一文字と称されます。天和3年5月に行年66歳で没するまで多くの弟子を名工に育て上げた位の高い上工で新刀上作に列位します。