銘文『了戒重能作』 種別 刀 長さ 71.8センチ 反り 2.0センチ 元幅30ミリ 元重7ミリ 先幅20ミリ 先重5ミリ 刀身758重量グラム (すべて約です) 神奈川県教育委員会
本作は山城派の代表鍛冶で了戒重能の在銘の御刀です。
良く練られた感のある板目、杢目肌は、細かな流れ肌を交え総体的に良く詰んでいます。
平地には沸映りが見事に立っており、小乱れ、小互の目、小湾れを交えた焼き刃は、刃縁に細やかな金筋、砂流し交え、来派の伝統を示した素晴らしい出来栄えとなっております。
藤代義雄先生の『日本刀工辞典』にも、同派代表鍛冶として、その名が挙がる名工、出来保存状態は抜群に優れています。同工並びに同派の希少な在銘品は中々お目に掛かりません。是非とも家宝にお加え下さい。
了戒一派は、南北朝最末期京了戒門人の能定が京の戦渦を逃れて豊前國宇佐の地に移住したことに始まります。
豊前と豊後の国境に付近にある、宇佐の地で繁栄した一派は、皆、『了戒』を屋号的に冠し、『能(よし)』の字を通字としました。重能は『藤代刀工辞典』にも同派代表鍛冶としてその名を連ねる名工です。その他、能真、能定、秀能、宣能、直能などがおります。