銘文『無銘』 種別 脇差 長さ 45.7センチ 反り 0.9センチ 元幅26.8ミリ 元重6.9ミリ 先幅22ミリ 先重6.2ミリ 刀身462重量グラム (すべて約です) 秋田県教育委員会
大和国手掻派は東大寺の西の正面にあたる転害門の辺りに居住した事からこの派の名称が起こり、東大寺と深い繋がりがあったものと推測され同派の祖は包永と伝え、初代と鑑せられるものには鎌倉時代中期から後期にかけてと思われ以後同銘数代が継承しています。
また一門は大和物の中では最も繁栄を見せ、室町時代まで及んでおりますが、極めには末がついていないことから鎌倉期より南北朝は間違いないものと思います。
美しい姿の体配で、特有の小板目鍛えに柾目が流動的に流れて地沸厚くつき、刃文は直刃に小足入り、二重刃のように入って金線太く入り、刃縁ほつれて砂流しがしきりにかかり、金筋交じり、沸よくつくなど、非常に健全で出来の優れた一振りです。ハバキ下に隠れる錆も軽い研磨でとることも可能で目立った傷もありません。鎌倉南北朝の脇差で特別保存がついている中では最安値に当たると思います。