銘文『肥前国住人忠吉作』 種別 刀 長さ 二尺三寸四分 反り 七分五厘 元幅32ミリ 元重8ミリ 先幅23ミリ 先重6ミリ 刀身776重量グラム (すべて約です) 大分県教育委員会
生茎の慶長末ごろから武蔵大掾を受領までの忠吉最盛期である住人忠吉銘、覇気のある最高傑作です。
美しい繊細なる小板目肌に刃中は変化に富み、たっぷりと付いた沸、ほつれ絡んで、砂流し、匂口明るく冴え、最高の力量と精神を余すところなく見せつける逸品です。 まさに肥前刀の域を超えた大傑作となり、これぞ最上作と云える至宝の一振りです。
初代肥前国忠吉の住人忠吉銘の憧れの名品を是非とも家宝にお加え下さい。
忠吉は橋本新左衛門と称し肥前国鍋島藩の抱え工であり、慶長元年、藩命により京の埋忠明寿の門に入り鍛刀の技を学びました。同三年帰国し、佐賀城下に住して藩の肥後のもとに大いに栄え、元和10年、再度上洛して武蔵大掾を受領し、名を忠吉から忠広と改め、同時に源姓から藤原姓に替え寛永9年8月15日、没したといわれています。刀剣界では知らない人が居ない程の慶長新刀の大横綱です。