銘文『九州肥後同田貫兵部』 種別 刀 長さ 66.3センチ 反り 1.5センチ 元幅30ミリ 元重7ミリ 先幅21ミリ 先重5ミリ 刀身694グラム (すべて約です)東京都教育委員会
いかにも上質の同田貫といえる素晴らしい出来を誇り、杢目に柾目がが強く流れるような健全なる地肌に、地景入り、沸え良くつき、刃文は湾れ交じりの互の目乱で、匂口明るく、砂流し、沸筋が激しくかかる、希少な同田貫兵部の一振りです。
同田貫は肥後国熊本で作刀され古刀末期に菊池よりの玉名へと移住した菊池延寿鍛冶の後裔です。天正十六年加藤清正が肥後に入国して北半を領するとともに延寿鍛冶の後裔を召抱え、熊本城の城備刀を作らせた。これらが肥後同田貫鍛冶一門であり、「折れず曲がらず同田貫」と歌われ、物切れ優秀な実用的価値の高い刀を鍛刀して乱世戦国の世に全盛期を迎えました。言わずと知れた「子連れ狼」の拝一刀の愛刀であることも有名です。