銘文『昭和十二年十二月吉日勲四等栗原昭秀』『以日下氏之純鉄製精鍛造之』 種別 刀 長さ 67.2センチ 反り 2.0センチ 元幅32ミリ 元重7ミリ 先幅21ミリ 先重6ミリ 刀身764重量グラム (すべて約です) 山梨県教育委員会 日本美術刀剣保存協会鑑定書付
栗原昭秀刀匠の渾身作で、日下純鉄を開発された日下和治博士の名前が入る純鉄製精された自信の一振りです。
出来は備前一文字派の刃紋を彷彿する一振りで、ライトに当てますと小板目良く詰み激しい流動的な互ノ目乱れで、匂深く小沸よくつき、砂流しを交えた華やかな素晴らしい出来栄えとなっております。
栗原彦三郎昭秀は栃木県出身、元衆議院議員で早くより刀剣を好み、特に鍛錬に趣味を有し二代将應に学びます。日本刀伝習所を赤坂氷川町の自宅庭内にもうけ笠間繁継などを招して師となし門下生指導の道を開きました。門下生には、人間国宝である宮入昭平刀匠、天田昭次刀匠等はじめ多数おります。昭和十年、日本刀伝習所、文部省にて日本刀展覧会を開きました。のち毎年これを開催することを務める傍機関誌として「日本刀」及び「日本趣味」を発刊。刀匠、研磨師、鞘師などの隆盛をはかった斯界の功労者として知られております。