銘文『河内大掾藤原正廣』 種別 刀 長さ 64.2センチ 反り 1.7センチ 元幅32ミリ 元重7ミリ 先幅23ミリ 先重5ミリ 刀身783重量グラム (すべて約です) 広島県教育委員会
得意とする福岡一文字を写した個性ある激しい互の目乱れで、たっぷりと付いた沸、ほつれ絡んで刃中は明るく冴え働きは実に見事で本工の技量を遺憾なく発揮された傑作一振りと云えます。
正廣家は、初代忠吉の娘婿吉信に始まり、藩主鍋島候より正廣の名を賜り、忠吉家分家筋でありながら、藩工として確固たる地位を築き上げました。
祖父忠吉が武蔵大掾を受領し銘を忠広と改めたことで忠吉を襲名したが、藩主鍋島勝茂に相伝を鍛刀献上したところ大変気に入られ、相州正広に迫る作であることから正広と銘せと命名賜った。それほど藩主鍋島勝茂に気に入られたことで藩主以外の受注を禁止され「御留め鍛冶」とされていたそうです。