銘文 『無銘』 伝千手院 種別 刀 長さ 二尺六寸八分五分 反り 八分 元幅 30ミリ 元重 7ミリ 先幅 20ミリ 先重 5ミリ 刀身重量 856グラム (すべて約です) 日本美術刀剣保存協会鑑定書付 東京都教育委員会昭和26年大名登録
平安後期長承頃の行信に始まる長寸で美しい反りの千手院の傑作太刀です。
二尺六寸八分五厘と長寸で堂々たる姿であり、細かな地沸が全面に付き、平地には映りが随所に現われ、刃縁に小沸が付いて金線、砂流しが働いており覇気に溢れた華やかな出来です。
地鉄の美しさ、そして刃の冴えは、実に見事で迫力と気品に溢れるております。
これほど長寸で健全な平安後期~鎌倉期の太刀は他に類が無いと思います。
千手院派は、平安時代後期に興ったとされる大和最古の流派で、大和国奈良の東大寺に隷属する僧形の承仕法師が、もっぱら東大寺の僧兵の為に鍛刀をしていた。若草山麓の千手谷で鍛刀しており、同地に千手観音を本尊とする千手院堂があり、その名が付いたと云われております。