銘 『於東都常盤松昭広作之』『昭和十三年四月吉祥日』 種別 刀 長さ 68.6センチ 反り 2センチ 元幅32ミリ 元重8ミリ 先幅21ミリ 先重6ミリ 刀身のみ766グラム (すべて約です) 日本美術刀剣保存協会鑑定書付
頭山満の常磐松刀剣鍛練所主任刀匠となり、九州大学冶金学部日本刀研究所を補助員もつとめ、昭和十三年に日本荘鍛刀所を設けた年に作刀された自信の一振りです。
出来は備前一文字の刃紋を見事に再現した一振りで、ライトに当てますと小板目良く詰み激しい流動的な互ノ目乱れで、匂深く小沸よくつき、砂流しを交えた華やかな素晴らしい出来栄えとなっております。
初代吉原国家は明治26年茨城県下妻市高道祖に生まれ、
昭和8年に衆議院議員栗原彦三郎(昭秀)の日本刀鍛錬伝習所の開設を知り、入所第1号になりました。
日本刀製作を修得し、以後、世田谷に日本荘鍛刀所を開設すると共に、頭山満の常盤松刀剣鍛錬所主任刀匠としても作刀。
陸軍第一造兵廠の嘱託となり、受命刀匠の育成と指導にあたり、日本刀学院師範、新作日本刀展審査部長などを歴任。古式鍛錬による日本刀を数多く製作し、昭和45年に没す行年77歳。
国家刀匠の培った技術は、孫にあたる義人・荘二兄弟へと受け継がれ、現代刀の礎を築き、昭和四十一年新作刀展に初出品して以来、兄弟揃って奇才を発揮。文化庁長官賞、協会名誉会長賞の連続受賞をはじめ、多くの栄誉を得て、無鑑査刀匠になられています。