銘文『無銘』 種別 刀 長さ 63.2センチ 反り 1.7センチ 元幅26ミリ 元重6ミリ 先幅18ミリ 先重4.5ミリ 刀身537重量グラム (すべて約です) 千葉県教育委員会
特別貴重の時代には雲類一派の名工『雲次』と極められており、近年の特別保存審査では平安時代後期に興ったとされる大和最古の流派である『千手院』と極められた一振りです。
細かな地沸が良くつき、平地には映りが随所に現われ、刃縁に小沸が付き、映りと平行して金線、砂流しが働いており覇気に溢れた華やかな出来です。
迫力と気品に溢れる名刀を是非とも家宝にお加え下さい。
鎌倉時代から、南北朝期にかけて備前国宇甘で作刀していた刀工群、雲生、雲次、雲重は、雲の字を冠することから、雲類と呼ばれこれらの祖は山城国から備前へ移住して来たため、同国各派に比べ全く異なった京風の趣を強く示す素晴らしい作域の御刀を残します。雲重は雲生の孫にあたり重要文化財などに指定された作品を残す雲類派きっての名工です。
千手院派は、平安時代後期に興ったとされる大和最古の流派で、大和国奈良の東大寺に隷属する僧形の承仕法師が、もっぱら東大寺の僧兵の為に鍛刀をしていた。若草山麓の千手谷で鍛刀しており、同地に千手観音を本尊とする千手院堂があり、その名が付いたと云われております。