銘文 『於浪華月山雲龍子貞一精鍛』『慶応二丙寅年仲夏』 種別 刀 日本美術刀剣保存協会鑑定書付 当刀は貞一31歳頃の作で二尺六寸超える豪壮で映り立ち大変希少な月山貞一の傑作で長さ見幅すべて他を圧倒する出来栄えとなっております。研ぎも無監査の先生監修のもと研ぎが施され特別保存に錆び身で合格している比類なき傑作です。 月山貞一は、天保七年(1837年)近江国生まれ、七歳の時に近江国に在住していた月山貞吉の養子となり、鍛刀を学び、後に父貞吉と共に大阪に移住、大阪月山家を立ち上げています。 嘉永二年より自作を始め、貞吉の晩年には代作代銘をなし、大正七年、八十四歳までの七十年間の長期に亘り刀匠として活躍しています。明治三十九年には帝室技芸員(現在の人間国宝)の栄誉を賜り、その才能は子貞勝、二代貞一へと受け継がれ、大阪月山家を不動のものとしています。