銘文 『肥前国住陸奥守忠吉』 種別 刀 日本美術刀剣保存協会鑑定書付 三代陸奥 は名を橋本新三郎といい、寛永十四年に近江大掾忠広の長男として生まれ、万治三年に陸奥大掾を受領、翌年の寛文元年に陸奥守になっていますが、父近江大掾忠広が他界する七年前の貞享三年に五十歳で没しており、ほとんど父の代作に従事していたものと考えられます。 長命であった祖父や父と比べて三代忠吉自身の作刀は少ないですが、地鉄の精緻さや地刃の冴えにおいては初代を凌駕する作品が多く、初代忠吉よりも価格に於いても圧倒的に高く評価されています。