銘文『津田越前守助広』『寛文十年二月日』 種別 刀 長さ 65.0センチ 反り 0.3センチ 元幅30ミリ 元重7ミリ 先幅22ミリ 先重5.5ミリ 刀身825グラム (すべて約です) 東京都教育委員会
自ら創始したこれぞ濤瀾刃のお手本となるような超傑作で、匂い口は見事に冴え、ライトにあてない状態でも刃の働きの凄さがわかり、少しあてると迫りくる波しぶきの如く、刃中の金筋、沸えなどのあらゆる働きが凄まじく冴えており、出来はいうまでもなく一線を画しております。
まさに最上作の技量を遺憾なく発揮し覇気に満ちた名刀と云えます。
二代助広は知る人ぞ知る名工であり江戸時代延宝頃に摂津国で大活躍した刀工で、新刀最上作にして大業物です。長曽弥虎徹、井上真改などと並び称される新刀を代表する名工の一人で、最上作に名を連ねており、殊に刃の明るさは新刀屈指といわれ、 さらに濤瀾乱れという独自の刃文を創始するに至り一世を風靡しこの新作風は当時の大阪新刀はもとより新々刀期の諸工にまで強く影響をあたえ、今なお彼の名を新刀西の大横綱として不動の地位を築いております。